星と月と恋の話
私の、本日のお弁当は。
ミニハンバーグ弁当。ケチャップ付き。
もぐもぐ。
…うん。
美味しい、美味しいのだけど…。
…何か足りない気がする…。
なんかこう、「何これ美味しい!」みたいな感じがしない。
そりゃそうだ。何これも何も、普段家で食べてるハンバーグを、お弁当用にミニサイズにしただけなんだから。
いつもと変わらない、実家のような安心感を感じる味。
それはそれで良いけど。
何だか味気ない気がするのよね…。
「正樹、お前弁当は?」
「コンビニで買ってきた」
隆盛は、私達と同じ、親に作ってもらったお弁当を持ってきていたけど。
正樹はコンビニの袋から、コンビニ弁当を取り出していた。
あぁ、登校前に買ってきたのね。
チキン南蛮丼大盛り、なんていう、超ガッツリ系のお弁当だった。
よく食べられるわね、あんなに…。
一方の女子達は。
「はい、フルーツサンド。たくさんあるから二人にお裾分け」
「ありがと〜」
真菜が持ってきたフルーツサンドの、ご相伴に預かっていた。
やったー。
こういうとき、遠足って良いなぁと思うわよね。
こうして、お弁当シェア出来るんだもん。
有り難くフルーツサンドを一切れもらって、口に入れる。
うん、美味しい…。
美味しい…んだけど。
…何だろう。やっぱり、何か足りない気がする…。
何なんだろう。普通に美味しいんだけど…。
なんか、フルーツの果汁がベタベタしてるし…。生クリームもパサパサ。
食べられないほどじゃない。むしろ、それでも美味しいんだけど。
何だか違うなぁと思うのは、一体何と違うからなのか…。
もしかして、フルーツサンド専門店の売り物と比べてない?私…。
そりゃ、売り物に比べたら、味が劣るのも仕方ないでしょ。
私ったら、お裾分けをもらっておいて贅沢過ぎ…。
「…ねぇ、真菜」
ふと思いついたことを、私は本人に聞いてみることにした。
「ん?何?星ちゃん」
「このフルーツサンドって、誰が作ったの?真菜?」
そう聞くと、真菜は驚いたように目を見開き。
そして、とんでもないという風に手を振った。
「まさかぁ。朝から、そんな暇なことする余裕ないわよ。お母さんに作ってもらったの」
「あ、そ…そうよね」
「昨日のうちに作って、冷凍しておいたの。それを朝に解凍して持ってきただけ」
そ、そっか。
そりゃそうよね。朝から、パンを切って果物を切って…なんてやってる余裕はないだろう。
「フルーツだって、缶詰の奴だし。ホイップクリームもほら、あの、絞るだけの楽ちんホイップっていう商品あるでしょ?あれ使ってるの」
「へぇ…」
成程、そうだったんだ。
確かに、それなら簡単に出来そうね。
普通そういうものよね。まさか、朝からフルーツサンドを作る為に、生の果物の皮を剥き。
生クリームを泡立てて、ホイップクリームを作り…なんて。
そんな大変な作業が出来るはずがない。
私のこのハンバーグ弁当だって、タネの仕込みは昨日のうちにやってたみたいだし…。
私ったら、一体何と比べて…。
「…あ」
私が無意識に、何と…誰と比べていたのか。
その答えは一目瞭然だった。
私の視界に、ちらりと入った…結月君の姿だった。
ミニハンバーグ弁当。ケチャップ付き。
もぐもぐ。
…うん。
美味しい、美味しいのだけど…。
…何か足りない気がする…。
なんかこう、「何これ美味しい!」みたいな感じがしない。
そりゃそうだ。何これも何も、普段家で食べてるハンバーグを、お弁当用にミニサイズにしただけなんだから。
いつもと変わらない、実家のような安心感を感じる味。
それはそれで良いけど。
何だか味気ない気がするのよね…。
「正樹、お前弁当は?」
「コンビニで買ってきた」
隆盛は、私達と同じ、親に作ってもらったお弁当を持ってきていたけど。
正樹はコンビニの袋から、コンビニ弁当を取り出していた。
あぁ、登校前に買ってきたのね。
チキン南蛮丼大盛り、なんていう、超ガッツリ系のお弁当だった。
よく食べられるわね、あんなに…。
一方の女子達は。
「はい、フルーツサンド。たくさんあるから二人にお裾分け」
「ありがと〜」
真菜が持ってきたフルーツサンドの、ご相伴に預かっていた。
やったー。
こういうとき、遠足って良いなぁと思うわよね。
こうして、お弁当シェア出来るんだもん。
有り難くフルーツサンドを一切れもらって、口に入れる。
うん、美味しい…。
美味しい…んだけど。
…何だろう。やっぱり、何か足りない気がする…。
何なんだろう。普通に美味しいんだけど…。
なんか、フルーツの果汁がベタベタしてるし…。生クリームもパサパサ。
食べられないほどじゃない。むしろ、それでも美味しいんだけど。
何だか違うなぁと思うのは、一体何と違うからなのか…。
もしかして、フルーツサンド専門店の売り物と比べてない?私…。
そりゃ、売り物に比べたら、味が劣るのも仕方ないでしょ。
私ったら、お裾分けをもらっておいて贅沢過ぎ…。
「…ねぇ、真菜」
ふと思いついたことを、私は本人に聞いてみることにした。
「ん?何?星ちゃん」
「このフルーツサンドって、誰が作ったの?真菜?」
そう聞くと、真菜は驚いたように目を見開き。
そして、とんでもないという風に手を振った。
「まさかぁ。朝から、そんな暇なことする余裕ないわよ。お母さんに作ってもらったの」
「あ、そ…そうよね」
「昨日のうちに作って、冷凍しておいたの。それを朝に解凍して持ってきただけ」
そ、そっか。
そりゃそうよね。朝から、パンを切って果物を切って…なんてやってる余裕はないだろう。
「フルーツだって、缶詰の奴だし。ホイップクリームもほら、あの、絞るだけの楽ちんホイップっていう商品あるでしょ?あれ使ってるの」
「へぇ…」
成程、そうだったんだ。
確かに、それなら簡単に出来そうね。
普通そういうものよね。まさか、朝からフルーツサンドを作る為に、生の果物の皮を剥き。
生クリームを泡立てて、ホイップクリームを作り…なんて。
そんな大変な作業が出来るはずがない。
私のこのハンバーグ弁当だって、タネの仕込みは昨日のうちにやってたみたいだし…。
私ったら、一体何と比べて…。
「…あ」
私が無意識に、何と…誰と比べていたのか。
その答えは一目瞭然だった。
私の視界に、ちらりと入った…結月君の姿だった。