星と月と恋の話
あぁ、成程…そっか。

私、無意識に…結月君のお弁当と比べてたんだ。

最近屋外で食べるお弁当と言えば、結月君の手作り弁当ばかりだったから。

フルーツサンドも作ってもらったしね。

彼の作ったお弁当と比べてたんだ。無意識に。

結月君のお弁当と比べちゃ、そりゃあ駄目だよ…。

今まで食べた、どんなお弁当より美味しいんだから。

私は、再びちらりと結月君の方を見た。

彼は私達とはほんの少し離れたところに、一人で小さなビニールシートを敷き。

そこで、黙々とお弁当を食べていた。

あのお弁当も、自分で作ってきたんだろうなー…。

自分で作ることはあっても、他人にお弁当作ってもらったことってあるんだろうか?

私は何の有り難みもなく、結月君にお弁当作ってもらってたけど。

あのフルーツサンド、美味しかったもんなぁ。

もしかして結月君、あのフルーツサンド。

朝から生クリーム泡立てて、果物の皮を剥いて、イチから作ってくれたんだろうか。

こうして、他の人の手作り弁当と比べてみるとよく分かる。

結月君が、どれほど手間暇をかけてお弁当を作ってくれていたのかを。

それなのに私と来たら、有り難みもなく食べるだけで…。

…なんか、悪いことしちゃったな。

なんて、今更気づいて後悔する。

結月君って、本当にお弁当作るの上手だったんだ。

手間暇をかけるのを、全く惜しまないって言うか…。

そんな遠いところで食べてないで、こっちに来れば良いのに。

今からでも呼ぼうか?こっちに来て一緒に食べよう、って言おうか。

結月君にとっては迷惑なんだろうか?

真菜や海咲は嫌がるだろうか。

でも、私達同じグループなんだし。一緒にお弁当食べるくらい、良いんじゃないだろうか。
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