星と月と恋の話
「…?どうしたの、星ちゃん?」
ぼーっと考えているところに、真菜に声をかけられ。
私はハッとして、現実に立ち戻った。
…どうしよう。結月君をこっちに誘おうか?
一瞬迷ったけど、しかし。
「おやつ持ってきたんだよ。ほら、オランジェットチョコ」
「おっ、美味しそうじゃん。いただき〜」
「はい、星ちゃんもどうぞ」
「あ、ありがとう…」
真菜にチョコレートの箱を差し出され。
チョコレートを、一つもらって食べた。
うん、美味しい…。
「私も持ってきたよ、おやつ」
「俺も、コンビニで買ってきた奴があるから。皆で食おうぜ」
「って、あんたまた激辛味じゃない!皆で摘まむこと考えなさいよね」
「良いじゃん、美味いんだから」
「俺もポテチ持ってきたから。はい」
皆、思い思いのおやつを取り出しては、ビニールシートの真ん中に広げる。
あ、そっか…おやつ…。
持ってくるの忘れてたわ、私…。
「私、持ってくるの忘れてた」
「あれ。星ちゃんたら、うっかりさん」
皆持ってきてるのに、私だけもらう専みたいになってる。
「ま、良いよあげる。今度お返し持ってきてね」
「だな。倍返しを期待してる」
そう言って、皆笑いながら、私にもおやつを分けてくれた。
…けど。
この皆の「輪」の中に、結月君はいない。
彼は相変わらず少し離れたところに座って、こちらに背を向けていた。
私は、彼をこちらに呼ぶかどうか迷った。
結月君だってグループの一人なんだから、こっちに来れば良いのに。
多分、結月君もおやつ持ってきてないんだろうけど(そもそもおやつは禁止だから)。
それは私だって同じだし。
だから、遠慮せずこっちに来ても良い…はずなんだけど。
私は良いとして、他のメンバーが…真菜や海咲や、正樹や隆盛が何と言うかは分からなかった。
そもそも、結月君にそっぽを向いている時点で、彼女達が結月君のことをどう思っているのかは一目瞭然だし。
私が結月君をこっちに呼んでも、皆きっと嫌がるよね。
何だか仲間外れにしてるみたいで、あんまり気分良くないけど…。
でも…。
…別に良いわよね。仲間外れにしてるのは私じゃなくて、他の四人だってそうなんだし。
結月君だって、大抵いつも一人なんだから、きっと仲間外れにも慣れてるだろう。
こっちに来たかったら、自分から来るよ。
来ないってことは、別に興味はないんだろう。
だったら、別に…気にしなくて良いや。
私は、そう独り決めにした。
「はいはい、倍返しね。分かった分かった」
私は笑いながらそう言って、いつも通りのメンバーの中に混じって、おやつを楽しんだ。
何となく後ろめたい気持ちから、背中を向けながら。
ぼーっと考えているところに、真菜に声をかけられ。
私はハッとして、現実に立ち戻った。
…どうしよう。結月君をこっちに誘おうか?
一瞬迷ったけど、しかし。
「おやつ持ってきたんだよ。ほら、オランジェットチョコ」
「おっ、美味しそうじゃん。いただき〜」
「はい、星ちゃんもどうぞ」
「あ、ありがとう…」
真菜にチョコレートの箱を差し出され。
チョコレートを、一つもらって食べた。
うん、美味しい…。
「私も持ってきたよ、おやつ」
「俺も、コンビニで買ってきた奴があるから。皆で食おうぜ」
「って、あんたまた激辛味じゃない!皆で摘まむこと考えなさいよね」
「良いじゃん、美味いんだから」
「俺もポテチ持ってきたから。はい」
皆、思い思いのおやつを取り出しては、ビニールシートの真ん中に広げる。
あ、そっか…おやつ…。
持ってくるの忘れてたわ、私…。
「私、持ってくるの忘れてた」
「あれ。星ちゃんたら、うっかりさん」
皆持ってきてるのに、私だけもらう専みたいになってる。
「ま、良いよあげる。今度お返し持ってきてね」
「だな。倍返しを期待してる」
そう言って、皆笑いながら、私にもおやつを分けてくれた。
…けど。
この皆の「輪」の中に、結月君はいない。
彼は相変わらず少し離れたところに座って、こちらに背を向けていた。
私は、彼をこちらに呼ぶかどうか迷った。
結月君だってグループの一人なんだから、こっちに来れば良いのに。
多分、結月君もおやつ持ってきてないんだろうけど(そもそもおやつは禁止だから)。
それは私だって同じだし。
だから、遠慮せずこっちに来ても良い…はずなんだけど。
私は良いとして、他のメンバーが…真菜や海咲や、正樹や隆盛が何と言うかは分からなかった。
そもそも、結月君にそっぽを向いている時点で、彼女達が結月君のことをどう思っているのかは一目瞭然だし。
私が結月君をこっちに呼んでも、皆きっと嫌がるよね。
何だか仲間外れにしてるみたいで、あんまり気分良くないけど…。
でも…。
…別に良いわよね。仲間外れにしてるのは私じゃなくて、他の四人だってそうなんだし。
結月君だって、大抵いつも一人なんだから、きっと仲間外れにも慣れてるだろう。
こっちに来たかったら、自分から来るよ。
来ないってことは、別に興味はないんだろう。
だったら、別に…気にしなくて良いや。
私は、そう独り決めにした。
「はいはい、倍返しね。分かった分かった」
私は笑いながらそう言って、いつも通りのメンバーの中に混じって、おやつを楽しんだ。
何となく後ろめたい気持ちから、背中を向けながら。