星と月と恋の話
「本当だ。クリスマスで終わりだね〜」
「お疲れ。パフェ奢ってあげるの、忘れてないからね」
海咲と真菜が、面白がって続けた。
罰ゲーム…。三ヶ月間、結月君の彼女になるという罰ゲームだ。
それもこれも、間近に迫ったクリスマスの日で、丁度期限を迎える。
「あの三珠クンと三ヶ月も、よく我慢したね〜。偉いよ星ちゃん」
「ちょ…。き、聞こえるんじゃないの?」
私は、この会話が結月君の耳に届いてやしないかと、ハラハラしながら言った。
いくら席が離れてるとはいえ…。一つ屋根の下なのに。
しかし。
「大丈夫だって。バスの中騒がしいんだし」
「しかも、さっき見たらあいつ、寝てたし。絶対聞いてないって」
そ…それなら良いけど。
本当に寝てるのよね…?大丈夫よね?
私は、内心ハラハラしていたけど。
「最後にクリスマスデートして、そのときネタばらしで終わりだな」
「あはは。クリスマスにフラれるとか、三珠クン、トラウマになっちゃうんじゃない?」
皆、気にせず喋っている。
そっか…クリスマスにデートして、それで罰ゲーム終わりか…。
長かったような…短かったような…。
…短かったなぁ。
始まる前は、三ヶ月なんて長過ぎると思ったものだけど…。
始まってみると、案外早くて…。
「むしろ、喜ぶべきだろ?万年クリぼっちだったのに、今年だけは良い夢見られたんだから」
「そうね。三珠クンにとっては一生の記念になりそう」
「文字通り、忘れられないクリスマスになりそうね」
正樹達は、そう言ってけらけら笑っていた。
私も曖昧に笑ったけど、何故か素直には笑えなかった。
「もし、三珠クンが逆ギレしてきたらどうする?『よくも騙したな〜!』って」
「何その物真似、似てな〜」
「例えだって、例え」
逆ギレ…。
真実を告げたら…結月君は、どんな反応をするんだろう?
やっぱり怒るのかな…。
別れるときのことなんて、考えてもみなかったけど…。
「ないない。あいつに、そんな度胸ある訳ないじゃん」
正樹は、手を振りながら笑った。
「そうだな。自分が星野に釣り合ってないことくらい、いくらあいつでも自覚してるだろ。潔く身を引くって」
隆盛もそう言った。
…そうだね。私もそう思う。
結月君の性格からして…逆ギレすることも、未練がましく縋ってくるともないと思う。
何事もなかったように、「そうですか」とか言ってすんなり別れてくれそう…。
って思うのは、私の願望かな…。
「折角ならさ、星ちゃん。ラストデートはクリスマス当日じゃなくて、イブにしなよ」
と、真菜が提案した。
「イブ?何で?」
「イブに三珠クンとラストデートして別れて、すっきり翌日のクリスマスを迎えるの。で、その日に集まって、カフェで星ちゃんのお疲れ様会を開こうよ」
「おっ、それ良いねぇ」
「その日に、パフェも奢ってあげる。カフェ予約しとくからさ」
「う、うん…」
真菜が提案して、皆それで納得した。
クリスマスイブに、結月君と最後のデートをして…そこで別れて…。
翌日のクリスマスに、お疲れ様会…。
それで終わり、か…。
何とも言えない気持ちになったけど、それがどういう名前の気持ちなのか、私には分からなかった。
「お疲れ。パフェ奢ってあげるの、忘れてないからね」
海咲と真菜が、面白がって続けた。
罰ゲーム…。三ヶ月間、結月君の彼女になるという罰ゲームだ。
それもこれも、間近に迫ったクリスマスの日で、丁度期限を迎える。
「あの三珠クンと三ヶ月も、よく我慢したね〜。偉いよ星ちゃん」
「ちょ…。き、聞こえるんじゃないの?」
私は、この会話が結月君の耳に届いてやしないかと、ハラハラしながら言った。
いくら席が離れてるとはいえ…。一つ屋根の下なのに。
しかし。
「大丈夫だって。バスの中騒がしいんだし」
「しかも、さっき見たらあいつ、寝てたし。絶対聞いてないって」
そ…それなら良いけど。
本当に寝てるのよね…?大丈夫よね?
私は、内心ハラハラしていたけど。
「最後にクリスマスデートして、そのときネタばらしで終わりだな」
「あはは。クリスマスにフラれるとか、三珠クン、トラウマになっちゃうんじゃない?」
皆、気にせず喋っている。
そっか…クリスマスにデートして、それで罰ゲーム終わりか…。
長かったような…短かったような…。
…短かったなぁ。
始まる前は、三ヶ月なんて長過ぎると思ったものだけど…。
始まってみると、案外早くて…。
「むしろ、喜ぶべきだろ?万年クリぼっちだったのに、今年だけは良い夢見られたんだから」
「そうね。三珠クンにとっては一生の記念になりそう」
「文字通り、忘れられないクリスマスになりそうね」
正樹達は、そう言ってけらけら笑っていた。
私も曖昧に笑ったけど、何故か素直には笑えなかった。
「もし、三珠クンが逆ギレしてきたらどうする?『よくも騙したな〜!』って」
「何その物真似、似てな〜」
「例えだって、例え」
逆ギレ…。
真実を告げたら…結月君は、どんな反応をするんだろう?
やっぱり怒るのかな…。
別れるときのことなんて、考えてもみなかったけど…。
「ないない。あいつに、そんな度胸ある訳ないじゃん」
正樹は、手を振りながら笑った。
「そうだな。自分が星野に釣り合ってないことくらい、いくらあいつでも自覚してるだろ。潔く身を引くって」
隆盛もそう言った。
…そうだね。私もそう思う。
結月君の性格からして…逆ギレすることも、未練がましく縋ってくるともないと思う。
何事もなかったように、「そうですか」とか言ってすんなり別れてくれそう…。
って思うのは、私の願望かな…。
「折角ならさ、星ちゃん。ラストデートはクリスマス当日じゃなくて、イブにしなよ」
と、真菜が提案した。
「イブ?何で?」
「イブに三珠クンとラストデートして別れて、すっきり翌日のクリスマスを迎えるの。で、その日に集まって、カフェで星ちゃんのお疲れ様会を開こうよ」
「おっ、それ良いねぇ」
「その日に、パフェも奢ってあげる。カフェ予約しとくからさ」
「う、うん…」
真菜が提案して、皆それで納得した。
クリスマスイブに、結月君と最後のデートをして…そこで別れて…。
翌日のクリスマスに、お疲れ様会…。
それで終わり、か…。
何とも言えない気持ちになったけど、それがどういう名前の気持ちなのか、私には分からなかった。