星と月と恋の話
「ど…どうしたのよ?一体…」

付き合う?私と隆盛が?

何で?

「いや…いきなりこんなこと言い出して、驚くのも無理ないけど…」

めちゃくちゃ驚いてるわよ。

だって隆盛は私にとって、ただの遊び友達でしかなくて…。

隆盛にとっても、よく一緒に遊ぶ女友達くらいにしか思われてないと…。

「これまでは、ずっと友達として接してきたし…。それで満足してたけど…。なんか…それだけじゃ我慢出来なくなって」

「…」

「俺、やっぱり星野のこと好きだって気づいたんだ。良かったら付き合って欲しい」

…隆盛…。

「あんた…結構モテるでしょうに…」

もっと、隆盛に釣り合う人がいるんじゃないの?

「そうか?でも、俺が好きなのは星野だから」

「…」

「三珠と別れたら、星野はフリーに戻るだろ?だから俺と付き合って欲しい」

…それって…。

「結月君から…隆盛に乗り換えるってこと?」

「そんな言い方するなよ。三珠はノーカンだろ?好きでもないのに、罰ゲームで付き合ってるだけなんだから」

それは…そう…だけど。

「ほら、来年になったら、またクラス替えがあるだろ?そのとき…もし星野と別のクラスになったら…疎遠になるかもしれないと思って…。それは嫌なんだ」

「…」

「でも、付き合ってれば…また会えるだろ?一緒にデートも出来るし」

…隆盛の言いたいことは分かる。

分かるけど…。

「…」

何と返事して良いのか分からなくて、返事に困って俯いていると。

隆盛は、苦笑いして言った。

「まぁ、今すぐ返事してくれとは言わないよ。そもそも、三珠と正式に別れるのが先だしな。でも…それが終わったら、前向きに考えてくれよな」

「…うん」

「良かった」

私が頷くと、隆盛は苦笑いではない、本物の笑顔になった。

…真菜や海咲が私を一人で帰らせたのは、この為だったのかな。

二人共、今日隆盛が私に告白するって知ってたから…。

つまり真菜達は、私と隆盛が釣り合ってると思っているってことなのか。

「じゃ、返事待ってるから。宜しくな」

「うん…分かった」

私が頷くと、隆盛も満足そうに頷いて、去っていった。

少しだけ顔を赤いように見えたのは、あれで隆盛も、結構緊張していたのかもしれない。
 
一方の私はと言うと、隆盛からの突然の告白に。

どう反応したら良いのか、何と返事をしたら良いのか決めかねていた。

とんでもない宿題を背負わされた気分だった。
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