星と月と恋の話
ただ気になるのは、本当のことを話した時、結月君がどんな反応をするかどうかだった。

…まさか「別れないで欲しい」と泣きつかれることはないと思うけど。

でも、絶対気を悪くするよね。

そりゃそうだ。裏切られてたんだから。

結月君にしてみれば、あれだけ良くしてあげたのに、あれだけ誠実に付き合ったのに、全部無駄だったのか、って気になるよね。

当たり前だ。

何とかオブラートに包んで…結月君を傷つけないように、別れ話をしよう。

「罰ゲームの一環で付き合ってただけです」という内容を、どうやったらオブラートに包めるのか皆目検討もつかないけど。

でも、少しでも柔らかい言葉を使おう。

結月君は何も悪くないんだってことを、ちゃんと伝えて…。

そう…お互い、三ヶ月良い思い出が作れたね、って感じで…。

丸く収まるように…。

結月君だって、小さい子供じゃないんだから。

事情を説明されたら、きっと分かってくれるよ。

あの罰ゲームだって…私が言い出したことじゃない。

元々は、正樹の悪ふざけだったのだ。

そして海咲のちょっとした悪戯で、私が罰ゲームに選ばれただけで…。

私の意志で、結月君を騙そうとした訳じゃない。

私はあんな罰ゲーム、元々嫌だったのよ。気が進まなかったの。

だから私も…ある種の被害者って言うか…。

そんな感じで話をして…「だからお互い、笑って別れようよ」って風に話を持っていって…。

あとは、ちゃんと謝って…。

そうすれば結月君もきっと、分かってくれるはずだ。

うん、きっと許してくれるよ。

結月君、優しいもん。

だから大丈夫…。明日の今頃は、すっきりとクリスマス当日を迎えようとしているだろう。

私は、必死に自分でそう言い聞かせ。

結局、何度もその衝動に駆られながらも、スマホには手を伸ばさなかった。

そして、無理矢理目を閉じ、眠りについた。

明日の今頃には、全てが解決していると信じて。
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