星と月と恋の話
…翌日。



私は約束通り夕方に駅前に向かった。

手土産に、ホールケーキを持って。

これは何と言うか…手切れ金ならぬ、手切れケーキみたいなものだ。

今まで、色々お世話になったし…ワンピースを作ってもらったりしたし…。

その感謝と、お詫びを込めて…ケーキの一つくらい持っていかなきゃ失礼かと思って。

それにほら、クリスマスだし…。

もしかしたら結月君の家は、クリスマスだからって、ケーキを買う余裕がないかもしれないから。

せめて今年くらいは、クリスマスケーキを食べてもらいたくて。

それで、ケーキを持参して待ち合わせ場所に向かった。

いつになく、私は緊張していた。

「お、お待たせ…」

「こんにちは」

相変わらず、最後まで。

結月君は、早めに待ち合わせ場所に来て私を待っていた。

早くも私は、罪悪感に押し潰されそうになった。
< 198 / 458 >

この作品をシェア

pagetop