星と月と恋の話
と、そのとき。
着物の採寸を終えたお嬢さんが、居間に戻ってきた。
「お兄ちゃん、あそぼー!」
と、威勢良くはしゃぎながら。
どうも。いらっしゃいませ。
「良いですよ。丁度今、トランプやってたんですけど…。一緒にやります?」
「うん、やる!」
良かった。
「何をしましょうか?」
「んーと、ババ抜き」
お姫様は、ババ抜きをご所望。
はいはい、分かりました。
さっきまでは師匠が相手だったから、容赦なく叩きのめしたけど。
今度はお嬢さんも一緒なので、手加減するとしよう。
4歳児相手に本気を出すなんて、大人気ないにも程がありますからね。
そんな訳で、かなり加減してあげ、上手いことお嬢さんが勝てるように持っていったが。
その間も、師匠はボロ負けしていた。
順位にすると、1位お嬢さん(ただし忖度あり)、2位僕、越えられない壁、3位師匠(素の実力)みたいな。
越えられない壁が非常に高い。
「お嬢さん。パパは弱いですね」
「へたくそ〜」
ほら、笑われてる。
「ぐぬぬ…」
唸っても、弱いものは弱い。
「はい、またお嬢さんが一番ですね」
お嬢さんの手札を推測して、わざとお嬢さんが一番乗り出来るように、手札を抜いてあげると。
「えへん!」
お嬢さんは、得意満面の笑顔だった。
可愛い。
「優勝おめでとうございます」
「おめでとございまーす!」
可愛い。
「あなたの娘だとは思えませんよ、師匠。色んな意味で…」
「そ、そうか…」
君はこのまま、奥さんの遺伝子を強く受け継いで育ってくれ。
着物の採寸を終えたお嬢さんが、居間に戻ってきた。
「お兄ちゃん、あそぼー!」
と、威勢良くはしゃぎながら。
どうも。いらっしゃいませ。
「良いですよ。丁度今、トランプやってたんですけど…。一緒にやります?」
「うん、やる!」
良かった。
「何をしましょうか?」
「んーと、ババ抜き」
お姫様は、ババ抜きをご所望。
はいはい、分かりました。
さっきまでは師匠が相手だったから、容赦なく叩きのめしたけど。
今度はお嬢さんも一緒なので、手加減するとしよう。
4歳児相手に本気を出すなんて、大人気ないにも程がありますからね。
そんな訳で、かなり加減してあげ、上手いことお嬢さんが勝てるように持っていったが。
その間も、師匠はボロ負けしていた。
順位にすると、1位お嬢さん(ただし忖度あり)、2位僕、越えられない壁、3位師匠(素の実力)みたいな。
越えられない壁が非常に高い。
「お嬢さん。パパは弱いですね」
「へたくそ〜」
ほら、笑われてる。
「ぐぬぬ…」
唸っても、弱いものは弱い。
「はい、またお嬢さんが一番ですね」
お嬢さんの手札を推測して、わざとお嬢さんが一番乗り出来るように、手札を抜いてあげると。
「えへん!」
お嬢さんは、得意満面の笑顔だった。
可愛い。
「優勝おめでとうございます」
「おめでとございまーす!」
可愛い。
「あなたの娘だとは思えませんよ、師匠。色んな意味で…」
「そ、そうか…」
君はこのまま、奥さんの遺伝子を強く受け継いで育ってくれ。