星と月と恋の話
こうして、迎えた新学期。

冬休みの間、散々逃げ回っていた私だけど。

新学期を迎え、再び学校が始まったからには。

こうなってはもう逃げ回ることは出来ない。

嫌でも顔を合わせるしかなかった。

真菜や海咲、正樹や隆盛と。

そして何より。

…結月君と。

散々心の中で葛藤して、怯えて、恐怖心を抑え込んで。

重い気持ちのまま、恐る恐る学校に登校して。

まず最初に会話したのは、女友達の真菜と海咲だった。






「おっ、星ちゃん。おひさ〜」

「あけましておめでとー」

しばらく会わなかったのに、いつも通りの笑顔を見せる二人に。

私は心の中で、少しだけ安心した。

…いや、違う。

私が安心したのは、まだ教室の中に、結月君がいなかったからだ。

もし彼が、先に登校していたら。

臆病者の私は、教室の入り口で硬直して、中に入れなかったに違いない。
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