星と月と恋の話
「…そう、有り得ないでしょ?いつの時代から来た高校生かって話」

『へぇ〜。変わってる人だとは思ってたけど、そんなに時代遅れとはね』 

私は帰宅して、すぐに。

親友の真菜に電話をかけて、愚痴を言いまくっていた。

愚痴って言うか…。

…結月君の悪口?

とにかく、私の常識からは考えられない!って思ったことを、延々と真菜に喋った。

ちゃんと相槌を打って聞いてくれたよ、真菜は。

「何話したら良いの?全然話合わないよ」

『本当にね。私でも無理だわ。毎日何が楽しくて生きてんだろうね、三珠クン』

全くだよ。

高校生の今から、そんなのんびりしたスローライフ送っちゃって。

老後どうするつもりなんだろ。

そんな生活で、人生楽しいのかなぁ?

「もー無理だよ〜…。真菜、代わって…」

『え?やだ』

即答だった。

でしょうね。私だって、立場が逆だったら即答してたと思うよ。

いくら親友でも、それはそれ、これはこれだもん。

そんなつまらない人と付き合うなんて、私だって御免だよ。

「しかも、これまだ一回目だからね。明日か明後日にでも、また一緒に帰るんだよ」

『うん、そうなるね…』

「無理。会話が続かない。どうしたら良いと思う?」

てっきり、オタクな結月君が一人でペラペラ喋ってくれると思ってたのに。

全然オタクじゃなかったし、それどころか、趣味らしい趣味が何もない。

何の話をすれば良いの?

『え〜?…うーん…。…天気の話とか?』

…迷った挙げ句に、それ?

近所のおばさんとの会話じゃん。彼氏との会話じゃないよ、天気の話なんて。

しかも、仮に天気の話をしたって、一言二言で終わりだよ。

「今日良い天気だね」

「そうですね」

「今日はあったかいねー」

「そうですね」

って、これで終わりだよきっと。

そうですねしか言ってないじゃん結月君。

でも、絶対そんな会話になる未来が見える。

「何でも良いから、なんか話題を提供してよ、真菜。私達友達でしょ?友達を助けると思って」

まさかこんなことを真菜に頼むなんて。

我ながら、何やってるんだろうと思うよ。

でもこう見えて、私も必死だから。
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