星と月と恋の話
ようやく、欲しいものを全部買い物かごに入れ。

やれやれ、あとはレジでお金を払うだけ、と思ったが。

「うわ〜…。凄い人…」

レジには、長い行列が出来ていた。

そりゃそうだわ。これだけスーパーの中のお客さん密度が高かったら。

当然、お金を払う人も同じだけいる訳で。

従って、レジには長蛇の列が出来ている。

「…もう、商品全部戻して帰ろうかしら、って気になるわね」

「諦めて並ぶしかないですね」

「はー…。スイーツの行列にはいくらでも並べるけど、レジの行列を見るとげんなりするわ…」

「ま、まぁ…。このスーパーの店員さんは手際が良いですから…。意外と早く終わりますよ」

「…そうだと良いけど…」

と、溜め息をついたものの。

結月君の言う通り、この人の多さにしては、意外と早くに会計を終えることが出来た。

けど、やっぱり長いものは長かった。

何だか、体育の授業が終わった後みたいな気分。

買い物だけで、こんなに疲れるとは…。

私、もう水曜日に買い物来るのやめるわ。

私には、まだまだハードルが高かった。








「結月君、君はよく頑張ってるわ…」

「え、な、何ですかいきなり…?」

「あんな戦国時代みたいなスーパーで、平気で買い物済ませられるなんて…」

私なんてもう、息も絶え絶えよ。

結月君がいなかったら、あっという間に主婦に吹き飛ばされていただろう、と言っても過言ではない。
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