星と月と恋の話
チョコレートの買い出しを、翌日に控えた金曜日。
その日の帰り道、隣を歩いていた結月君が。
不意に、珍しいことを言った。
「星さん。明日、時間はありませんか?」
「えっ?」
…結月君、今何て?
何て言った?
「良かったら、うちに遊びに来てくれないかと思ったんですが…」
ま、まさか本当に。
結月君の方から、デートに誘ってくれるなんて…!
しかも、お家デート。
結月君からデートに誘われるなんて、これは是非とも行きたい。
こんな珍しい機会、ないよ。
これは是非とも行きたい。行きたいと言いたい。
めっちゃ行きたいです!と言いたい。
しかし。
明日は…真菜達とバレンタインチョコを買いに行くんだよ…!
先にそっちの約束をしちゃったのよ。
先約があるのよ。明日は駄目なのよ…!
もうバレンタインまでに時間がないから、断る訳にはいかないのよ…!
…うぅ、泣きたい。
「ごめんね結月君…。無理なの…先約があるの…!」
私は血の涙を飲んで、結月君の誘いを断った。
私に身体が二つあれば、両方行けたのに。
なんて馬鹿なことを考えても、それは儚い望み。
無理なものは無理なのよ。どうやっても。
「あ、そうなんですか」
「ごめんね結月君…。愚かな私を許して…!」
「い、いえ、そんな…。大袈裟ですよ」
大袈裟じゃないわ。
だって、結月君からデートの申し込みをしてくれるなんて、まず滅多にないことなのに。
それを断らなきゃならないなんて、私はなんて罰当たりなの。
そんな私を許して。
「これに懲りないで…またの機会にしてもらえる…?」
「分かりました。また今度誘いますね」
「絶対よ。絶対だからね。諦めないで」
「は、はい…。凄い気迫ですけど、大丈夫ですか…?」
大丈夫じゃないわ。
結月君のデートの誘いを断ってしまったことで、酷い罪悪感に駆られてるわ。
許して。
その代わり私、明日結月君の為に、頑張ってチョコを選んでくるから。
その日の帰り道、隣を歩いていた結月君が。
不意に、珍しいことを言った。
「星さん。明日、時間はありませんか?」
「えっ?」
…結月君、今何て?
何て言った?
「良かったら、うちに遊びに来てくれないかと思ったんですが…」
ま、まさか本当に。
結月君の方から、デートに誘ってくれるなんて…!
しかも、お家デート。
結月君からデートに誘われるなんて、これは是非とも行きたい。
こんな珍しい機会、ないよ。
これは是非とも行きたい。行きたいと言いたい。
めっちゃ行きたいです!と言いたい。
しかし。
明日は…真菜達とバレンタインチョコを買いに行くんだよ…!
先にそっちの約束をしちゃったのよ。
先約があるのよ。明日は駄目なのよ…!
もうバレンタインまでに時間がないから、断る訳にはいかないのよ…!
…うぅ、泣きたい。
「ごめんね結月君…。無理なの…先約があるの…!」
私は血の涙を飲んで、結月君の誘いを断った。
私に身体が二つあれば、両方行けたのに。
なんて馬鹿なことを考えても、それは儚い望み。
無理なものは無理なのよ。どうやっても。
「あ、そうなんですか」
「ごめんね結月君…。愚かな私を許して…!」
「い、いえ、そんな…。大袈裟ですよ」
大袈裟じゃないわ。
だって、結月君からデートの申し込みをしてくれるなんて、まず滅多にないことなのに。
それを断らなきゃならないなんて、私はなんて罰当たりなの。
そんな私を許して。
「これに懲りないで…またの機会にしてもらえる…?」
「分かりました。また今度誘いますね」
「絶対よ。絶対だからね。諦めないで」
「は、はい…。凄い気迫ですけど、大丈夫ですか…?」
大丈夫じゃないわ。
結月君のデートの誘いを断ってしまったことで、酷い罪悪感に駆られてるわ。
許して。
その代わり私、明日結月君の為に、頑張ってチョコを選んでくるから。