星と月と恋の話
「そうか。チョコレートを人に送る日があるのか…」
「…」
あなたという人は。
僕の2倍以上余裕で生きてる癖に、バレンタインデーの存在を知ったのは今日ですか。
よく知らずに生きてきたことだ。
まぁ、映画館やカラオケに行ったことのなかった僕が言うのは、おかしいかもしれないが…。
でも僕の場合、映画館もカラオケも動物園も、確かに行ったことはなかったけど。
行ったことがないってだけで、そこがどんな場所か、何をする場所かくらいは知ってましたよ。
「普通は、女性から男性に送ることが多いんですが…」
「性別が関係あるのか」
「僕は気にしてないですし、昨今は男性から女性へ、というパターンも珍しくないんじゃないですか?」
ジェンダーフリーって奴ですよ。
良いじゃないですか。男がチョコレートを作っても。
母も喜んでくれたし。
「なら、お前の彼女も、お前にチョコレートをくれるのかもしれないな」
「そうなんですかね?」
星さんが、僕にチョコレート…?
…何だか気恥かしいような…。
こちらから渡すのは、ちっとも抵抗がないのに。
もらう側になると、何だか身構えてしまう。
自慢じゃないですけど、僕、母以外の人間にチョコレートをもらったことってないんですよ。
これまでは全然、気にしてこなかったが…。
今年はどうなんだろう?
星さんって、こういうイベント好きそうだし…。
もしかしたら、もらえるんですかね?
なんて期待して、もらえなかったらちょっとショックだから。
あまり、期待しないでおこう。
もしもらえるなら、何ならチロルチョコ一つでも喜びますけど。
美味しいですしね、チロルチョコ。
「…そういう訳なので、加賀宮さんも僕に、お返しをくれても良いんですよ?」
「…何が、そういう訳なんだ…?」
「こういう訳です」
「…じゃあ、次来るときまでに何か用意しておく」
「宜しくお願いします」
と、僕は悪戯っぽく笑った。
「…」
あなたという人は。
僕の2倍以上余裕で生きてる癖に、バレンタインデーの存在を知ったのは今日ですか。
よく知らずに生きてきたことだ。
まぁ、映画館やカラオケに行ったことのなかった僕が言うのは、おかしいかもしれないが…。
でも僕の場合、映画館もカラオケも動物園も、確かに行ったことはなかったけど。
行ったことがないってだけで、そこがどんな場所か、何をする場所かくらいは知ってましたよ。
「普通は、女性から男性に送ることが多いんですが…」
「性別が関係あるのか」
「僕は気にしてないですし、昨今は男性から女性へ、というパターンも珍しくないんじゃないですか?」
ジェンダーフリーって奴ですよ。
良いじゃないですか。男がチョコレートを作っても。
母も喜んでくれたし。
「なら、お前の彼女も、お前にチョコレートをくれるのかもしれないな」
「そうなんですかね?」
星さんが、僕にチョコレート…?
…何だか気恥かしいような…。
こちらから渡すのは、ちっとも抵抗がないのに。
もらう側になると、何だか身構えてしまう。
自慢じゃないですけど、僕、母以外の人間にチョコレートをもらったことってないんですよ。
これまでは全然、気にしてこなかったが…。
今年はどうなんだろう?
星さんって、こういうイベント好きそうだし…。
もしかしたら、もらえるんですかね?
なんて期待して、もらえなかったらちょっとショックだから。
あまり、期待しないでおこう。
もしもらえるなら、何ならチロルチョコ一つでも喜びますけど。
美味しいですしね、チロルチョコ。
「…そういう訳なので、加賀宮さんも僕に、お返しをくれても良いんですよ?」
「…何が、そういう訳なんだ…?」
「こういう訳です」
「…じゃあ、次来るときまでに何か用意しておく」
「宜しくお願いします」
と、僕は悪戯っぽく笑った。