星と月と恋の話
プレゼントのみならず。

その後、ファミレスで色々奢ってもらった。

いちごパフェは大盛りだし、プリンアラモードまで注文してもらった。

それから、皆でピザやフライドポテトを注文して、シェアして食べた。

もうお腹いっぱい。

帰ってからまだケーキが待ってるのに。食べきれるかしら。

甘いものは別腹だから。平気平気。

そんなことしてるから、ダイエットしてもリバウンドするんだろうなぁ…。

大丈夫。今日は誕生日。特別よ。

昼間に憂鬱な学年末テストさえなければ、完璧な日だったわ。

あ、でも結月君に祝ってもらってないのよね、まだ。

それが楽しみ。

楽しみは、後に取っておく派だから。

やっぱり彼氏に祝ってもらわないと。

と、思いながらファミレスから帰宅しようとした、

そのとき。

「星野、ちょっと待ってくれ」

「…隆盛?どうしたの?」

またしても、隆盛に声をかけられた。

…何だか、前もこんなシチュエーションあったわよね。

そして、あのときは…。

「話したいことがあるんだ」

そう。

「話したいこと?何?」

「その…受け取って欲しいものがあるんだ」

…受け取って欲しいもの?

さっき、誕生日プレゼントをもらったばかりなのに。

隆盛は、小さくて細長い、白い箱を取り出した。

「これ…」

「ちょっと奮発して…買ってみたんだ。星野に似合うと思って」

誕生石の小さなチャームがついた、繊細なネックレスだった。

とても綺麗で、そしていかにも高そうだった。

どうして、こんなもの…。

「どうしたの?いきなり、こんな…」

「分かってるだろ?俺…まだ、お前のこと諦められないんだよ」

…何となく、そんな予感はしていたけど。

やっぱり、そうだったらしい。

「受け取ってくれないか」

「隆盛…。気持ちは嬉しいけど、これは受け取れないわ」

安くないお金を出して、私の為に買ってきてくれたものだとは分かってる。

でも、だからこそ、こんな思いのこもったものは受け取れない。

だって、何回聞かれても、私は隆盛の気持ちには応えられないから。
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