星と月と恋の話
その後、私は結月君の手作りケーキを堪能した。

こっちも最高だった。凄く美味しい。

結月君、パティシエ目指せるんじゃない?

「…結果的には、何だか手作りのものばっかりになってしまって…。何だか貧乏臭いですね。済みません」

と、結月君は謝った。

何謝ってるんだか。

「結月君らしくて、心がこもってて、私は嬉しかったわよ?」

「物は言い様ですね…」

「大丈夫だって。お店に売ってるプレゼントなら、昨日友達からもらったわ」

これはこれ、それはそれで、ちゃんと嬉しいわよ。

しかも結月君の手作りって、一見お店に売ってるもののようにハイクオリティなんだもの。

素人の手作りとは思えない。

「凄く嬉しいよ。ありがとう」

「…そうですか。…それは良かったです」

ちょっと前の私なら、こんな手作りのコサージュが、今まで見たどんなアクセサリーより素敵だなんて絶対思わなかったでしょうね。

それが例えどんなものでも、何かを見て素敵だと思えるなんて、幸せなことじゃない?

ましてやそれが恋人からのプレゼントなら、なおさら。
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