星と月と恋の話
「緋村君を傷つけるかもしれないって分かってて、そんな罰ゲームをやっちゃ駄目」
皆、大したことないって言ってるけど。
そりゃあ、私達にとっては大したことがなくても。
緋村君にとっては、深く傷つけられる出来事になるかもしれない。
久露花さんにとっても。
だったら、そんな罰ゲームは駄目。
無関係の人を巻き込んじゃいけない。まして、傷つけるなんてとんでもない。
「何でそんなに幽霊君のこと庇うの?」
「別に、庇ってる訳じゃ…」
「何々?もしかして星ちゃん、幽霊君のこと好きなの?」
何でそうなるの?
馬鹿馬鹿しくて、笑い飛ばす気にもならないわ。
「そんな訳ないでしょ」
「あ、そっかー…。…そういえば、聞いたよ。星ちゃん」
は?
「真菜と海咲が言ってた。星ちゃんって、三珠クンと付き合ってるんだって?」
「…!」
…真菜と海咲ったら。口が軽いんだから。
まぁ、別に隠してる訳じゃないから、バラされても構わないけど…。
「あれってマジなの?」
「…そうだけど…」
私が頷くと、皆驚愕に目を見開いて、そしてゲラゲラと笑い始めた。
…何かおかしいんだか。
「何か悪いの?」
「いや、無理無理。何で?星ちゃん、頭おかしくなったの?大丈夫?」
はぁ?
「三珠クンと…?有り得ないわ。あれの何が良いの?」
「私だったら、絶対無理。幽霊君も有り得ないけど、三珠クンも同じくらい有り得ないわ」
…ムカッ。
何で私の彼氏を、あんた達に難癖つけられなきゃならないのよ。
「別に、私の勝手でしょ?」
「いや、それはそうだけどさぁ…。でも三珠クンって…有り得ないわぁ」
有り得なくて結構。
私にとっては、充分有り得ることだもの。
「一体どうしちゃったのよ、星ちゃん。幽霊君を庇ったり、三珠クンなんかと付き合ったりしてさぁ」
「…」
「そうだよ。おかしいよ星ちゃん。星ちゃんらしくないよ」
…私らしくない?
私らしさって、何?
ここで笑いながら罰ゲームに参加して、緋村君を傷つけると分かっていて、彼に告白するのが私らしいの?
結月君と付き合わないことが、私らしいの?
「真菜と海咲も言ってたよ?星ちゃんが変わっちゃったって」
…え。
あの、二人が…?そう言ってたの?
「前の星ちゃんの方が良かったのにって。私達もそう思うわ。いきなり真面目ぶったり、三珠クンなんかと付き合ったりして…」
二人共…そんな風に思ってたの?私のこと…。
「一時の気の迷いかと思ったけど…。早く目を覚ましなよ?そんなつまんない星ちゃん、星ちゃんらしくないよ」
「…」
「あーあ。なんか盛り下がっちゃった。折角楽しかったのに…」
「だね。もう帰ろう」
私が黙っていると、皆は興が冷めたと言わんばかりに、帰り支度を始めてしまった。
私らしくない。変わってしまった。
その言葉が、頭の中をぐるぐると巡っていた。
皆、大したことないって言ってるけど。
そりゃあ、私達にとっては大したことがなくても。
緋村君にとっては、深く傷つけられる出来事になるかもしれない。
久露花さんにとっても。
だったら、そんな罰ゲームは駄目。
無関係の人を巻き込んじゃいけない。まして、傷つけるなんてとんでもない。
「何でそんなに幽霊君のこと庇うの?」
「別に、庇ってる訳じゃ…」
「何々?もしかして星ちゃん、幽霊君のこと好きなの?」
何でそうなるの?
馬鹿馬鹿しくて、笑い飛ばす気にもならないわ。
「そんな訳ないでしょ」
「あ、そっかー…。…そういえば、聞いたよ。星ちゃん」
は?
「真菜と海咲が言ってた。星ちゃんって、三珠クンと付き合ってるんだって?」
「…!」
…真菜と海咲ったら。口が軽いんだから。
まぁ、別に隠してる訳じゃないから、バラされても構わないけど…。
「あれってマジなの?」
「…そうだけど…」
私が頷くと、皆驚愕に目を見開いて、そしてゲラゲラと笑い始めた。
…何かおかしいんだか。
「何か悪いの?」
「いや、無理無理。何で?星ちゃん、頭おかしくなったの?大丈夫?」
はぁ?
「三珠クンと…?有り得ないわ。あれの何が良いの?」
「私だったら、絶対無理。幽霊君も有り得ないけど、三珠クンも同じくらい有り得ないわ」
…ムカッ。
何で私の彼氏を、あんた達に難癖つけられなきゃならないのよ。
「別に、私の勝手でしょ?」
「いや、それはそうだけどさぁ…。でも三珠クンって…有り得ないわぁ」
有り得なくて結構。
私にとっては、充分有り得ることだもの。
「一体どうしちゃったのよ、星ちゃん。幽霊君を庇ったり、三珠クンなんかと付き合ったりしてさぁ」
「…」
「そうだよ。おかしいよ星ちゃん。星ちゃんらしくないよ」
…私らしくない?
私らしさって、何?
ここで笑いながら罰ゲームに参加して、緋村君を傷つけると分かっていて、彼に告白するのが私らしいの?
結月君と付き合わないことが、私らしいの?
「真菜と海咲も言ってたよ?星ちゃんが変わっちゃったって」
…え。
あの、二人が…?そう言ってたの?
「前の星ちゃんの方が良かったのにって。私達もそう思うわ。いきなり真面目ぶったり、三珠クンなんかと付き合ったりして…」
二人共…そんな風に思ってたの?私のこと…。
「一時の気の迷いかと思ったけど…。早く目を覚ましなよ?そんなつまんない星ちゃん、星ちゃんらしくないよ」
「…」
「あーあ。なんか盛り下がっちゃった。折角楽しかったのに…」
「だね。もう帰ろう」
私が黙っていると、皆は興が冷めたと言わんばかりに、帰り支度を始めてしまった。
私らしくない。変わってしまった。
その言葉が、頭の中をぐるぐると巡っていた。