ガキ大将と猫(溶け合う煙 side story)
「お前がお子ちゃまだから、何も気づかねーんだよ。この鈍感娘。」

と言うと、先輩はキスをしてきた。

こないだの別れ際のように軽いものではなく、次第に深くなるキスは、めちゃくちゃ私を求めているものだと伝わる。

「せん…ぱぃ…。息が…」

「ぅるせー…。」

先輩は止めてくれない…。
私の腰に回された手が熱い。

…どうしよ。キスが気持ち良過ぎる…。

次第に先輩の手がトップスを捲り上げてくる。

「…ヤバイ。止まんねぇ。。。」

「…んはぁ。先輩、朝からこんな…だめですぅ。」

「朝じゃなきゃいーのかよ…」

「ん…ちがっ…う。ここ、会社…だし…」

「じゃあ、会社じゃなきゃいーのかよ…」

「…そ、そんな…意味じゃ…、ぁあん」

変な声が出ちゃう…恥ずかしい。

「ほんと…せん…ぱい。落ち…ついて…。」

色んな感情が整理できず、涙目になる。

「なんで、お前こんなに可愛いんだよ。まじムカつくっ。」

そう言うと、やっとキスをやめてくれたが、距離は離れない。
おでこ同士をくっつけたまま、2人で息を整える。

「お前、今晩俺ん家な!!」

そう言うと、バタンと強く扉を閉めミーティングルームから出て行ってしまった…。

残されて部屋で、力が抜けてへたり込む…。

「もぉっ!…なんなのよぉー!」

何であんなに強引なのっ!?
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