童貞を奪った責任



 伊丹 杏 26歳。商社勤務の普通のOL。



 去年まで、多数のセフレと関係を持つくらいの最低クズ女だった。



 学生時代に付き合っていた元彼氏による狂った束縛とDVにより、恋愛をする事を拒んでいた私の前に立ち塞がったのは....




 全国的に名の知れた指定暴力団山田組の若頭の男だった。





「俺の童貞を奪った落とし前を付けろ。」と、ナンパ男に絡まれていた私を助けてくれたのは、その事件の前に逆ナンした希少価値高めの国宝級のイケメンで....


 そのインパクト大の美男子様は、私の日常に土足で上がり込んできたのだった。






 【俺の女】とかふざけた事を抜かし始めた奴に、最初は嫌々ながらも一緒に居たが、次第に愛される喜びに気付いてしまった私は、詠斗と正式に付き合う事になった。のだったが....









「姐さん、お誕生日おめでとうございます。」





 付き合ってから、初めて迎える私の誕生日での出来事。




 屋敷で共に暮らすヤクザの構成員一同に、盛大に見守られながら、大広間でお祝いをしてもらった。





 隣に座る詠斗は、常に私の腰に手を回しており、仕事中以外は常に一緒に居るくらいに、独占欲が極めて高い。




 付き合う前からそれは変わらずだが、彼の溺愛っ振りは異常なものだ。












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