童貞を奪った責任
それらを全て受け取り切ると、広間内は大宴会がスタートして、酒盛りを始める面々を冷ややかに見つめる。
前略。お酒が不得意な私は、お酌されたお酒をちびちびと飲みながら、隣の彼を盗み見る。
....早くプレゼント寄越せ。ブランド物のバッグ?◯カラットのダイヤのネックレスにピアス?
社長やってんだから収入はかなり有るだろうし、がめつくなるのも当たり前である。
毎日毎日私のこと、好き好き言ってんだから、それなりの物を期待してしまうのも当たり前だ。
待てど待てどと、一向にプレゼントを出す素振りを見せない詠斗に苛立ちが募ってきた頃。
「遅くなってすまない!俺の愛しの杏ちゃ〜ん。」
随分と遅れてやって来たのは、詠斗の双子の兄の七海さんだ。
彼は正直に言うとかなり面倒くさい男で、この屋敷に住んでいないのだが、毎日の様に私に会いに来る暇人ヤリチン糞野郎だ。
「今日こそは、杏ちゃんを『あんあん』言わせたいな。」
「遠慮しときます。」
私が詠斗と付き合ってるって知ってる筈なのに、エッチしたいと堂々と告白する七海さんは、毎回詠斗の暴言・暴行により屋敷から追い払われる。
「冷たいな〜。まあ、お誕生日おめでとう。」
徐にスーツのポケットから取り出し差し出して来たのは、なにやら海外の言葉が書かれた怪しげな箱で....
「これを飲めば、いつも以上の刺激的なセックスが出来るよ!」
なーんて、パッケージの隅に描かれた"R-18"を私は見逃しはしなかった。