童貞を奪った責任



 有難迷惑品を受け取り切ったといつのに、追い討ちを掛けるアホ義兄こと七海さん。



 そんな時に、詠斗が「ほれ、俺からだ。」と懐から取り出した贈り物らしき物を二度見してしまった。






「詠斗さん、これは何かな〜。」


「見ての通り、ムカつく奴を切り裂く用の刃物だ。」


「いやいや〜、嘘でしょ?」



 いつぞやの覗き魔切腹騒ぎの短刀と全く同じデザインのソレは、ズシッとし荷が重い。





「ちょうど良いから、今ここでナナで試してみるか?」





 詠斗からのプレゼントは、予想外のものだった。



 使い道:護身用?いいや、憂さ晴らしの殺傷性抜群であろう刃物。





「お前、あの映画観てる時、食い入る様に見てたから、欲しいのかと思ってた。」



「そうじゃないっ!」




 あの映画とは、以前私がヤクザの生態を調べる為に見ていた作品な訳で....




 そのシリーズの続編が出た時、デートで詠斗と共に劇場に足を運んだのだ。



 変な思い出に浸っていたところを何故か勘違いした詠斗は、私の誕生日プレゼントにそれを選んだらしい。











「今度調子こいた奴に、脅しで使うのもアリだろ?」






 ほら、目の前の糞野郎とか....




 
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