童貞を奪った責任
番外編03
あの時、どうして俺は、彼女の事を傷付けてしまったのだろうか。
伊丹家には散々お世話になったのに、恩を仇で返す様な仕打ち。
杏が好きで好きで堪らなくなって、いつしか欲しいとさえ思っていた。
実際、交際を始めてみれば、杏を独り占めしたくなって、酷い束縛をしてしまった。
気付けば、手を挙げる過ちを犯し、彼女を無理矢理に抱いて、自分のモノなのだと、激しく傷付けた。
それが、幸せなのか。そんなもの誰が観たって、間違いでしかないのに....。
俺には、彼女の存在が、一筋の希望なのだと思い込んでいたのだと思う。
激しい思い込み、思いやりのある優しい杏を変えてしまったのは、間違いなく俺だった。