童貞を奪った責任
――――――――――「ねえ、パパ?」
やっとの想いで手に入れた杏。あれから数年が経過した頃。
「ん?どうした。」
「ママがね、ナナと何やら親密そうだったよ。」
結婚して、授かった子供は男女の双子。
未来と永久
「父さん以外の男と話すのは、“ウワキ”って言うらしいぜ。」
「ママ、ウワキなの?」
子供たちはすくすくと育ち、組の強面たちに揉まれながらも素直に育っていた。
「ナナが、ママのこと好きって言ってた。」
「ウワキ者だウワキ者っ。」
どこで覚えたのか、そんな言葉。
未来が目撃したとはいえ、どうせいつものナナの口説きだろ。と納得する。
本当に懲りない奴だ。
杏が浮気なんかした暁には、絶対に相手の男を八つ裂きにしてでも取り戻すだろう。
「あ、ママ来たよ。」
.....「母さん、ナナとウワキしたの?」
「バカ言ってんじゃないわよ。」
母親になっても口の悪さは治らない。
「ママ怖い顔してる。」
「父さん助けて....。」
子供たちに叱り付ける姿は、母親の顔。
「杏、お前ってやつは....」
「私が浮気する訳ないでしょ。」
分かってる。
お前を手に入れる為に、俺はどんな手も使ってきた。
俺以外を好きにならない様に....
「ねぇねぇ、あれやらないの?」
「父さんのプロポーズごっこだろ。」
「そうそう!!ママ顔真っ赤にさせちゃうの。照れてるの凄く可愛いの。」
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「「俺の童貞を奪った責任を取ってくださいっ!!」」