王太子と婚約した私は『ため息』を一つ吐く~聖女としての『偽りの記憶』を植え付けられたので、婚約破棄させていただきますわ~
「そういえば、リーディアちゃん。エリクは優しくしてるかしら?」
「ええ、とても優しくしていただいております。先ほどもオルゴールという素敵なものをいただきまして」
「まあっ! あれいいわよね! わたくしもエリクに見せていただいたときはなんて美しい音色かしらと感心したわ」
「とても上品で王妃様の好みに合いそうでしたわ」
「エリク、今度わたくしにもいただけるかしら?」
「今度手に入ったらお渡ししますよ」
「待っているわ」
私はそっとメインのお肉にナイフを入れると、口に運ぶ。
なんて美味しいんだろうかと現代の生活を思い出したからこそ肉の質の違いがわかってしまうこの悲しさ……。
しっかりとデザートまで堪能して口を布で拭うと、二人に続いてディナーの席を立った。
相変わらずなんか落ち着かない廊下だな~と豪華絢爛に飾られた絵画の数々を眺めながら自室に戻って歩く。
廊下だけで何メートル走できるんだろう、なんてことを思いながら自分の部屋のドアを開けた。
「ええ、とても優しくしていただいております。先ほどもオルゴールという素敵なものをいただきまして」
「まあっ! あれいいわよね! わたくしもエリクに見せていただいたときはなんて美しい音色かしらと感心したわ」
「とても上品で王妃様の好みに合いそうでしたわ」
「エリク、今度わたくしにもいただけるかしら?」
「今度手に入ったらお渡ししますよ」
「待っているわ」
私はそっとメインのお肉にナイフを入れると、口に運ぶ。
なんて美味しいんだろうかと現代の生活を思い出したからこそ肉の質の違いがわかってしまうこの悲しさ……。
しっかりとデザートまで堪能して口を布で拭うと、二人に続いてディナーの席を立った。
相変わらずなんか落ち着かない廊下だな~と豪華絢爛に飾られた絵画の数々を眺めながら自室に戻って歩く。
廊下だけで何メートル走できるんだろう、なんてことを思いながら自分の部屋のドアを開けた。