王太子と婚約した私は『ため息』を一つ吐く~聖女としての『偽りの記憶』を植え付けられたので、婚約破棄させていただきますわ~
第21話 聖女の力(2)
私はレオから受け取った鍵を大切に握り締め、第二王宮の地下室へと向かう。
これまでは彼に見つからないようにこそこそと探索をしていたけれど、今度は違う。
──私は、彼と契約を結んだ。
彼の妹さんの呪いを解く方法を知り、彼女の命を救う。
それには聖女の力が不可欠に違いない。
地下室の前にたどり着いた私はゆっくりと鍵穴に差し込む。
甲高い音を鳴らし、扉は開く。
中はかなり埃っぽく、空気もよどんでいる気がする。
「こほっ……喉に来るわね……」
地下室独特のひんやりとした空気が肌にあたる。
部屋いっぱいに立っている本棚は年季を感じる深いブラウンの色合いで、王族紋章か何かが本棚の側面に刻まれている。
明らかに大事な書物を保管しているといった様子で、私は目の前の本棚に近づいて背表紙を見てみた。
「全然、わからない」
背表紙には読めない言語が書かれている。
一冊手に取ってみてそれをペラペラとめくってみたが、やはり背表紙と同じような読めない言語で書かれていた。
これまでは彼に見つからないようにこそこそと探索をしていたけれど、今度は違う。
──私は、彼と契約を結んだ。
彼の妹さんの呪いを解く方法を知り、彼女の命を救う。
それには聖女の力が不可欠に違いない。
地下室の前にたどり着いた私はゆっくりと鍵穴に差し込む。
甲高い音を鳴らし、扉は開く。
中はかなり埃っぽく、空気もよどんでいる気がする。
「こほっ……喉に来るわね……」
地下室独特のひんやりとした空気が肌にあたる。
部屋いっぱいに立っている本棚は年季を感じる深いブラウンの色合いで、王族紋章か何かが本棚の側面に刻まれている。
明らかに大事な書物を保管しているといった様子で、私は目の前の本棚に近づいて背表紙を見てみた。
「全然、わからない」
背表紙には読めない言語が書かれている。
一冊手に取ってみてそれをペラペラとめくってみたが、やはり背表紙と同じような読めない言語で書かれていた。