王太子と婚約した私は『ため息』を一つ吐く~聖女としての『偽りの記憶』を植え付けられたので、婚約破棄させていただきますわ~
 意図的なのか、あまりマメではない性格なのか、行は揃って書かれているのに毎日書かれているわけではない。
 それに天気の表記があったりなかったり、曜日があったりなかったり……。

 その中である文章を見つける。

「呪いを解いた……?」

 慌てて前後の文章を詳しく読んでいくと聖女自身が呪いを解いた様子が書かれている。
 いや、それよりも何か引っかかる……。

「この文字……どこかで……」

 そう思った矢先、私は視界がぐらりと揺らいだ。

「──っ!!」

 突然、頭に強い衝撃を受けて私は立っていられずにその場に倒れ込む。
 失う意識の端で誰か人影が傍にあるのに気づいた──



******************************


【ちょっと一言コーナー】
久々の更新ですみません!
頑張って更新していきます。

【次回予告】
レオから受け取った鍵を使って地下室の本を探していたユリエ。
聖女が呪いを解いたということを知り、詳しく調べていたところで何者かに襲われて倒れてしまう。
ユリエを襲った人物は何者なのか。
次回、『結託』。

< 112 / 167 >

この作品をシェア

pagetop