王太子と婚約した私は『ため息』を一つ吐く~聖女としての『偽りの記憶』を植え付けられたので、婚約破棄させていただきますわ~
私、もうここに死んで生贄にされるのね……。
もう一度会いたかった好きな人にも会えず……ユリウス様……。
そうして目を閉じた瞬間、何か大きな衝撃音が耳に届く。
大勢の足音が聞こえてきたと思うと、誰かが私の身体を抱き起した。
「ユリエ! ユリエ!!」
その声は何か夢の中で聞いているようなふんわりとした声で、でもそれは確かに聞き覚えのある声だった。
「ユリウス様……?」
段々くっきりと彼の顔が見えてきて、それでずっと会いたかった人の顔で、私は喉の奥がつんとなる。
心細かった。
このまま死ぬのだと思った、その時に駆け付けてくれた。
すごく安心して目にわずかに涙がたまっている。
「レオ殿下から連絡を受けた。コーデリア国の事情、それからユリエの無事も教えてくれた」
「レオ様、が……?」
ようやく自分の周りを大勢の兵士が取り囲んで守るようにしており、その前には王妃に向き合うようにレオが立っているのが見えた。
「母上、聖女の贄儀式は禁忌です。許されることではありません」
「ふん、何を。あなたに何ができるの。自分の妹を犠牲に生き延びている罪人が」
「違うっ!!」
もう一度会いたかった好きな人にも会えず……ユリウス様……。
そうして目を閉じた瞬間、何か大きな衝撃音が耳に届く。
大勢の足音が聞こえてきたと思うと、誰かが私の身体を抱き起した。
「ユリエ! ユリエ!!」
その声は何か夢の中で聞いているようなふんわりとした声で、でもそれは確かに聞き覚えのある声だった。
「ユリウス様……?」
段々くっきりと彼の顔が見えてきて、それでずっと会いたかった人の顔で、私は喉の奥がつんとなる。
心細かった。
このまま死ぬのだと思った、その時に駆け付けてくれた。
すごく安心して目にわずかに涙がたまっている。
「レオ殿下から連絡を受けた。コーデリア国の事情、それからユリエの無事も教えてくれた」
「レオ様、が……?」
ようやく自分の周りを大勢の兵士が取り囲んで守るようにしており、その前には王妃に向き合うようにレオが立っているのが見えた。
「母上、聖女の贄儀式は禁忌です。許されることではありません」
「ふん、何を。あなたに何ができるの。自分の妹を犠牲に生き延びている罪人が」
「違うっ!!」