王太子と婚約した私は『ため息』を一つ吐く~聖女としての『偽りの記憶』を植え付けられたので、婚約破棄させていただきますわ~
 エルミア様の身体が光り輝くと、胸のあたりにあった禍々しさが一気に消える。

「やった……?」

 その瞬間、ベッドで眠っていたエルミア様がゆっくりと目を開いた。

「エルミアっ!!」
「おにい、さま……?」

 レオは目を覚ました彼女のもとへ駆け寄った。
 数年ぶりに兄妹は言葉を交わせたことに、喜びの笑みを浮かべていた──



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【ちょっと一言コーナー】
ようやく呪いを解いてあげられました。
私が更新できなかったばかりに長らくお待たせしました。
ごめんなさい、エルミア様、レオ様……。


【次回予告】
エルミアの呪いを祓い、ユリエはユリウスと共にクリシュト国に帰還することに。
次回、『二人の王子』。

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