王太子と婚約した私は『ため息』を一つ吐く~聖女としての『偽りの記憶』を植え付けられたので、婚約破棄させていただきますわ~
第24話 二人の王子
ユリウス様と共にコーデリア国を去るときがやってきた。
私は自分用に貸し出されていた部屋を後にしようとしたところ、ノックする音が聞こえて返事をする。
部屋に入ってきたのはレオだった。
「レオ様……?」
「もう帰るのか」
「はい、本当にお世話になりました」
「いや、迷惑かけたな。いろいろ」
「いいえ! こちらこそレオ様には良くして頂きました。ありがとうございました」
お辞儀をして顔をあげようとした瞬間、がばっと勢いよく抱きしめられた。
「レオ様っ!?」
「なあ、本当に俺の妃にならないか?」
私の髪ごと頭を支えて、もう一つの手に腰を強く引き寄せられている。
彼のあたたかさを感じた。
最初は彼のことを敵だと思って苦手だった。
だけど、彼の優しさをどんどん知っていった。
妹思いで、私のことも大切にしてくれて……。
でも……。
私はそっと彼の胸を押し返して目を見つめる。
「ごめんなさい、私はあなたの妃になれない。私は……」
「あいつか」
「あいつ」がユリウス様のことだとわかって、私はゆっくりと頷く。
私は自分用に貸し出されていた部屋を後にしようとしたところ、ノックする音が聞こえて返事をする。
部屋に入ってきたのはレオだった。
「レオ様……?」
「もう帰るのか」
「はい、本当にお世話になりました」
「いや、迷惑かけたな。いろいろ」
「いいえ! こちらこそレオ様には良くして頂きました。ありがとうございました」
お辞儀をして顔をあげようとした瞬間、がばっと勢いよく抱きしめられた。
「レオ様っ!?」
「なあ、本当に俺の妃にならないか?」
私の髪ごと頭を支えて、もう一つの手に腰を強く引き寄せられている。
彼のあたたかさを感じた。
最初は彼のことを敵だと思って苦手だった。
だけど、彼の優しさをどんどん知っていった。
妹思いで、私のことも大切にしてくれて……。
でも……。
私はそっと彼の胸を押し返して目を見つめる。
「ごめんなさい、私はあなたの妃になれない。私は……」
「あいつか」
「あいつ」がユリウス様のことだとわかって、私はゆっくりと頷く。