王太子と婚約した私は『ため息』を一つ吐く~聖女としての『偽りの記憶』を植え付けられたので、婚約破棄させていただきますわ~
第29話 母娘の時間と桜(1)
まきちゃんと遊んだ2日後に、お母さんとのんびりテレビを見ていると、ある誘いの声が聞こえてくる。
「友里恵、お花見でもしない?」
お母さんからの提案はわりと珍しくて、私は思わず顔をあげた。
「うん、いいけど」
「そう、よかった。じゃあ、今から準備をして行こうか」
「え! 今から?」
お昼ご飯を食べてまったりしていたところで、なんなら学校がないことをいいことに昼寝でもしてしまおうかと思うくらいまどろんでいた。
そんな私とは反対にさっと立ち上がってキッチンに準備をしにいく。
水だしされた美味しいコーヒーを冷蔵庫から出すと、薄まらないように水筒に一つだけ氷を入れる。
カランと甲高い音を響かせて水筒と、ピクニックの時に使っていたコップを二つ棚の奥から出してきた。
私も手伝おうと席を立ったのだが、お母さんに制止される。
「あんたは天気大丈夫かテレビで見てて~」
「う、うん……」
今時天気はネットで見れば数秒で終わるし、それにお母さんもいつもネットで見てる。
「友里恵、お花見でもしない?」
お母さんからの提案はわりと珍しくて、私は思わず顔をあげた。
「うん、いいけど」
「そう、よかった。じゃあ、今から準備をして行こうか」
「え! 今から?」
お昼ご飯を食べてまったりしていたところで、なんなら学校がないことをいいことに昼寝でもしてしまおうかと思うくらいまどろんでいた。
そんな私とは反対にさっと立ち上がってキッチンに準備をしにいく。
水だしされた美味しいコーヒーを冷蔵庫から出すと、薄まらないように水筒に一つだけ氷を入れる。
カランと甲高い音を響かせて水筒と、ピクニックの時に使っていたコップを二つ棚の奥から出してきた。
私も手伝おうと席を立ったのだが、お母さんに制止される。
「あんたは天気大丈夫かテレビで見てて~」
「う、うん……」
今時天気はネットで見れば数秒で終わるし、それにお母さんもいつもネットで見てる。