王太子と婚約した私は『ため息』を一つ吐く~聖女としての『偽りの記憶』を植え付けられたので、婚約破棄させていただきますわ~
 その言葉に王妃はくくくとこらえきれないように笑うと、そのあと手を口元に当ててさらに高笑いをした。

「ああ、おかしい。だからなんなの? 私がしたから何? この王宮の人間は全て私の味方なのよ?! あなたたちに何ができるっていうの?」

 その言葉を合図に私たちを取り囲むように兵が立ち並ぶ。

「さあ、第二王子を牢へ連れて行きなさい、小娘も同じよっ!!」

 その言葉に兵たちは全く耳を貸さない。当たり前だ。だって……
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