王太子と婚約した私は『ため息』を一つ吐く~聖女としての『偽りの記憶』を植え付けられたので、婚約破棄させていただきますわ~
「また、来るよ」
「お待ちしております」
そう言って扉を閉めたあと、今しがたいただいたオルゴールの音色をもう一度聴きたくて、わたくしはねじを回したのですが思いのほか力がいってうまく回せません。
「もう少し力がいるんでしょうか?」
そう呟きながらわたくしはねじを力いっぱい回してみたその時!
なんと手を滑らせてオルゴールがわたくしの手から落ちてしまいそうになったのです。
「あっ!!!」
わたくしは手を伸ばしたのですが、運悪くドレスの裾を踏んでしまいわたくしの視界はぐらりと揺れた後、そのまま目の前が真っ暗になりました。
一瞬の出来事でした。
自分が床の感触を直に感じたことで転んだのだと認識したと同時に、わたくしの中に何か電流が走ったような衝撃を受けました。
そして、わたくしは”私”を思い出したのです──
「お待ちしております」
そう言って扉を閉めたあと、今しがたいただいたオルゴールの音色をもう一度聴きたくて、わたくしはねじを回したのですが思いのほか力がいってうまく回せません。
「もう少し力がいるんでしょうか?」
そう呟きながらわたくしはねじを力いっぱい回してみたその時!
なんと手を滑らせてオルゴールがわたくしの手から落ちてしまいそうになったのです。
「あっ!!!」
わたくしは手を伸ばしたのですが、運悪くドレスの裾を踏んでしまいわたくしの視界はぐらりと揺れた後、そのまま目の前が真っ暗になりました。
一瞬の出来事でした。
自分が床の感触を直に感じたことで転んだのだと認識したと同時に、わたくしの中に何か電流が走ったような衝撃を受けました。
そして、わたくしは”私”を思い出したのです──