王太子と婚約した私は『ため息』を一つ吐く~聖女としての『偽りの記憶』を植え付けられたので、婚約破棄させていただきますわ~
先日まで王妃様がよく座っていた玉座に、威厳のある格好とがたいの良さが目を惹く王が座っている。
「ユリエ、この度はそなたに大変迷惑をかけたこと、申し訳なかった」
「いえ、王もお体がよくなって良かったです」
「心配ありがとう。詫びではないが、これからもこの王宮にて変わらぬ暮らし、いやそれ以上の対偶をお約束しよう」
「そんなっ! 私は十分満足しておりますゆえ、お気になさらないでくださいませ」
「それと実はユリウスが魔術師を拷問にかけたところ、異世界に帰還する方法を吐いたそうなのだ」
「──っ! それは本当ですか?!」
「ああ、ユリウスが今準備をしているので、数日だけ待っていただけるか?」
「もちろんでございます。国王、そしてユリウス様、ありがとうございます」
玉座に座る王と隣に控えるユリウス様に礼を言うと、なぜかユリウス様は少し悲しそうな表情で私を見つめた。
「ユリエ、この度はそなたに大変迷惑をかけたこと、申し訳なかった」
「いえ、王もお体がよくなって良かったです」
「心配ありがとう。詫びではないが、これからもこの王宮にて変わらぬ暮らし、いやそれ以上の対偶をお約束しよう」
「そんなっ! 私は十分満足しておりますゆえ、お気になさらないでくださいませ」
「それと実はユリウスが魔術師を拷問にかけたところ、異世界に帰還する方法を吐いたそうなのだ」
「──っ! それは本当ですか?!」
「ああ、ユリウスが今準備をしているので、数日だけ待っていただけるか?」
「もちろんでございます。国王、そしてユリウス様、ありがとうございます」
玉座に座る王と隣に控えるユリウス様に礼を言うと、なぜかユリウス様は少し悲しそうな表情で私を見つめた。