王太子と婚約した私は『ため息』を一つ吐く~聖女としての『偽りの記憶』を植え付けられたので、婚約破棄させていただきますわ~
 それから数ヵ月が経過した頃、リーディアの様子が少し変わったことに気づいた。
 雰囲気が少し変わったというのだろうか、今まで少し人形のような一辺倒な表情だったのがわずかだが喜怒哀楽を示すようになった。
 そして、彼女は何かを探すように王宮の人間に積極的に話しかけていた。

 もしかして、術がとけた?

 そして彼女が今まで一度も行ったことがないはずの書庫室に行ったという報告を書庫室長より聞いた。
 私は一縷の望みをかけてじいじに依頼して彼女へとコンタクトを取った。
 その目論見は見事成功して私と彼女は共に王妃に立ち向かうこととなった。
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