王太子と婚約した私は『ため息』を一つ吐く~聖女としての『偽りの記憶』を植え付けられたので、婚約破棄させていただきますわ~
「どうしましたか、リーディア」
「いえ、ユリウス様。その、恥ずかしいのですが、ホームシックになっていたようでして」
「ほーむしっく?」
「家や母が恋しくなったのです。記憶を取り戻してもうすぐ一ヶ月。私は帰れるのだろうか、って」
やはり、家が恋しいのですね。
私も母を失った時とてつもない喪失感に襲われました。
私は近くにいたじいじやアルベルトがいたから乗り越えられましたが、彼女には今頼る者が一人もいない。それなら……。
「いえ、ユリウス様。その、恥ずかしいのですが、ホームシックになっていたようでして」
「ほーむしっく?」
「家や母が恋しくなったのです。記憶を取り戻してもうすぐ一ヶ月。私は帰れるのだろうか、って」
やはり、家が恋しいのですね。
私も母を失った時とてつもない喪失感に襲われました。
私は近くにいたじいじやアルベルトがいたから乗り越えられましたが、彼女には今頼る者が一人もいない。それなら……。