王太子と婚約した私は『ため息』を一つ吐く~聖女としての『偽りの記憶』を植え付けられたので、婚約破棄させていただきますわ~
謁見が終わると、私はユリウス様とお茶をするために彼の自室へと招かれていた。
綺麗な模様のテーブルクロスの上にゆっくりと、紅茶とアフタヌーンティーのセットが置かれる。
アフタヌーンティー自体は記憶の改ざんをされたときに嫌というほど王妃様としていたのでそのセットの豪華さは知っているが、改めてみると元の世界の私には縁のないもので少し構えてしまう。
そんな構えた様子に気づいてか、私の目の前に座るユリウス様がにこりと笑いかけてくれる。
「ユリエ、どうかそんなに身構えないでほしい。一緒にお茶したいだけなんだ」
「はい。でもやっぱりケーキにサンドウィッチ……豪華だなって」
「アフタヌーンティーは嫌かい?」
ユリウス様は少し眉を下げて顔を傾けると、私の顔色を窺うように見つめてくる。
「い、いえっ! 違うんですっ!! 私にはもったいないほどの豪華さで!! その、幸せです!!」
自分でもなんとも語彙力のない、そして品のない回答をしたと反省したが、ユリウス様は私の回答を聞くとほっとしたように笑う。
「よかった、じゃあぜひ僕と一緒にアフタヌーンティーデートをしてほしい」
「は、はい」
ほら、こんなふうに急に男の人の顔つきになって私を誘惑してくる。
サファイアよりも濃いタンザナイトのような瞳が私を捕らえてしまって、思わず照れて顔を赤くしてしまう。
綺麗な模様のテーブルクロスの上にゆっくりと、紅茶とアフタヌーンティーのセットが置かれる。
アフタヌーンティー自体は記憶の改ざんをされたときに嫌というほど王妃様としていたのでそのセットの豪華さは知っているが、改めてみると元の世界の私には縁のないもので少し構えてしまう。
そんな構えた様子に気づいてか、私の目の前に座るユリウス様がにこりと笑いかけてくれる。
「ユリエ、どうかそんなに身構えないでほしい。一緒にお茶したいだけなんだ」
「はい。でもやっぱりケーキにサンドウィッチ……豪華だなって」
「アフタヌーンティーは嫌かい?」
ユリウス様は少し眉を下げて顔を傾けると、私の顔色を窺うように見つめてくる。
「い、いえっ! 違うんですっ!! 私にはもったいないほどの豪華さで!! その、幸せです!!」
自分でもなんとも語彙力のない、そして品のない回答をしたと反省したが、ユリウス様は私の回答を聞くとほっとしたように笑う。
「よかった、じゃあぜひ僕と一緒にアフタヌーンティーデートをしてほしい」
「は、はい」
ほら、こんなふうに急に男の人の顔つきになって私を誘惑してくる。
サファイアよりも濃いタンザナイトのような瞳が私を捕らえてしまって、思わず照れて顔を赤くしてしまう。