王太子と婚約した私は『ため息』を一つ吐く~聖女としての『偽りの記憶』を植え付けられたので、婚約破棄させていただきますわ~

第15話 あなたがいない日々なんて~SIDEユリウス&アルベルト~

 アルベルトは隣国コーデリア国へ密偵を送り、引き続き情勢の調査をおこなっていた。

「ユリエ様が?!」
「はい、この国にいます」
「まさか誘拐か?」
「可能性はあります。しかし……」

 状況を報告する密偵は口ごもって慎重に報告を続ける。

「どうやら第一王子のもとにいるようで」
「第一王子というと、レオ・シェベスタか」
「はい」
「なぜその方のところに……」
「少し様子を探ってみます」
「ああ、頼んだ」

 アルベルトは早馬でユリウスに「ユリエが隣国にいること」と「誘拐された可能性がある」ことを伝えた。

「無事でいてください、ユリエ様……」



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