王太子と婚約した私は『ため息』を一つ吐く~聖女としての『偽りの記憶』を植え付けられたので、婚約破棄させていただきますわ~
クリシュト国では聖女様──ユリエがいなくなったことによって王宮内は大騒ぎとなっていた。
「アルベルトっ! ユリエは?!」
「話しますから落ち着いてください」
「あ、ああ……」
ソファに浅く腰をかけてアルベルトに言われたように、落ち着かせようとする。
目を一度閉じてゆっくりと呼吸したあと、目を開いてもう一度アルベルトを見た。
「報告を頼む」
「かしこまりました」
アルベルトは何度かに分けて密偵に調査させた様子をユリウスに報告した。
「早馬で伝えた通り、ユリエ様がコーデリア国にいるのは確かです」
「誘拐されたのか?」
「イレナからの報告と突き合わせてもやはり誘拐されたのだと」
その言葉にユリウスは、怒りを押し殺して状況報告を聞こうと耳を傾ける。
「アルベルトっ! ユリエは?!」
「話しますから落ち着いてください」
「あ、ああ……」
ソファに浅く腰をかけてアルベルトに言われたように、落ち着かせようとする。
目を一度閉じてゆっくりと呼吸したあと、目を開いてもう一度アルベルトを見た。
「報告を頼む」
「かしこまりました」
アルベルトは何度かに分けて密偵に調査させた様子をユリウスに報告した。
「早馬で伝えた通り、ユリエ様がコーデリア国にいるのは確かです」
「誘拐されたのか?」
「イレナからの報告と突き合わせてもやはり誘拐されたのだと」
その言葉にユリウスは、怒りを押し殺して状況報告を聞こうと耳を傾ける。