王太子と婚約した私は『ため息』を一つ吐く~聖女としての『偽りの記憶』を植え付けられたので、婚約破棄させていただきますわ~
すると、トントンと部屋のドアをノックする音が聞こえ、私はびくりと肩を揺らして驚く。
「リーディア様。 ディナーのお時間です」
「え、ええ。今からいきますわ」
思っているよりも長い時間考え込んでいたようですでに外は夕方を過ぎて薄暗くなっていた。
世話役のメイドが私にいつものようにディナーの時間を知らせると、私は部屋のドアを開けに向かう途中で足を止める。
(ディナーってことは王妃様とエリク様がいる。この二人が偽りの記憶を植え付けた犯人?)
私は止めた足を再び動かしてドアを開けると、何事もなかったかのようにメイドに笑顔を振りまきいてダイニングへと向かい始める。
(要するに周りの人間は誰が敵か、誰が味方かわからない。ひとまず記憶が戻ったことは隠しながら見極めるしかない)
いつもなんてことない廊下が今日はやけに短く感じた──
「リーディア様。 ディナーのお時間です」
「え、ええ。今からいきますわ」
思っているよりも長い時間考え込んでいたようですでに外は夕方を過ぎて薄暗くなっていた。
世話役のメイドが私にいつものようにディナーの時間を知らせると、私は部屋のドアを開けに向かう途中で足を止める。
(ディナーってことは王妃様とエリク様がいる。この二人が偽りの記憶を植え付けた犯人?)
私は止めた足を再び動かしてドアを開けると、何事もなかったかのようにメイドに笑顔を振りまきいてダイニングへと向かい始める。
(要するに周りの人間は誰が敵か、誰が味方かわからない。ひとまず記憶が戻ったことは隠しながら見極めるしかない)
いつもなんてことない廊下が今日はやけに短く感じた──