王太子と婚約した私は『ため息』を一つ吐く~聖女としての『偽りの記憶』を植え付けられたので、婚約破棄させていただきますわ~
「──っ! 手っ!!」
「ん? いいだろ? 婚約者なんだし」
「だ・か・ら! まだだって!!」
「お、まだってことはこれからなる気満々だな。よし、今から教会行って式挙げるか」
「ちがーう!!」
ふん、とレオは笑うとそのまま私の手を取って歩いていく。
なんか、強引なのにこの手は優しい。
これが世にいう『ギャップ』ってやつ?
そんな風に考えていると、屋台のほうから声を掛けられる。
「さあ、お嬢ちゃん……──っ! 聖女……? レ、レオ様っ!」
「ああ、気にしないでくれ。デートしてるんだ」
「そ、それは失礼しました」
「このいちごバナナクレープをもらえるか?」
「レオ様……良いのですか?」
屋台のおばちゃんは目をパチクリさせながら困惑している。
そりゃそうだろうね、王子が自分の作ったもの食べるなんて、ほら、作るおばちゃんの手が震えてる……。
「ん? いいだろ? 婚約者なんだし」
「だ・か・ら! まだだって!!」
「お、まだってことはこれからなる気満々だな。よし、今から教会行って式挙げるか」
「ちがーう!!」
ふん、とレオは笑うとそのまま私の手を取って歩いていく。
なんか、強引なのにこの手は優しい。
これが世にいう『ギャップ』ってやつ?
そんな風に考えていると、屋台のほうから声を掛けられる。
「さあ、お嬢ちゃん……──っ! 聖女……? レ、レオ様っ!」
「ああ、気にしないでくれ。デートしてるんだ」
「そ、それは失礼しました」
「このいちごバナナクレープをもらえるか?」
「レオ様……良いのですか?」
屋台のおばちゃんは目をパチクリさせながら困惑している。
そりゃそうだろうね、王子が自分の作ったもの食べるなんて、ほら、作るおばちゃんの手が震えてる……。