「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました

当たり前の離縁

「おれがおまえの姉ディアーヌといい仲だということは知っているよな?ディアーヌの離縁の決着がついた。だからやっと、彼女を妻に迎えられる。というわけで、おまえはもう用済みだ。そうだな。どうせだから、異母弟のところに行くといい。もともと、あいつはディアーヌと結婚するはずだったんだ。妹のおまえでもかまわないだろう」

 この日、バロワン王国の第一王子マリユス・ノディエからそう宣言された。

 この一年、わたしたちは夫婦だったのかしら?とにかく、形式上はそうだったみたい。政略結婚とかうわべだけの仮面夫婦とか、そういうケースはよくある。だけど、わたしたちの場合はそれすら当てはまらない。
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