「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
 それから、クルリと大きい方の子へ振り向いた。

 彼があっと驚くまでに、思いっきり殴った。

 自分でも驚いた。

 平手打ちとかではない。拳でぶん殴ったのである。

 一瞬、この世界から音が消えた。

 森の遠くでも近くでも、小鳥の囀りや羽ばたきの音もしない。
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