「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
「それに、忘れたの?あなたがわたしをバカにしたんじゃない。ほんっとにムカつくやつだわ。昔もいまもまったくかわっていないわね」
「なんだとっ、このお転婆娘っ!いいや、暴力娘っ!おまえが殴ったせいで、歯が折れたんだぞ。しかも、二本だ」

 えっ、マジで?

 ああ、だからね。いつまででも拳がジンジンと痛かったわ。

 いったん記憶の糸がほつれると、どんどんあのときの記憶が脳内に溢れ出てくる。
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