「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
 あーっ、イヤだわ。

 それを認めるのはともかく、認めた上で謝罪するなんて、ぜったいにしたくない。

 あーっ、もうっ!

 なんでこんなことになるのよ?

「ごめん」

 これ以上なにも思わずかんがえず、さらには感情を持たずに無心のまま言葉を出した。

 心からの謝罪というわけではない。だって、感情がないのだから。

 それでも、自分の中では一万歩以上は譲歩しているつもり。
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