「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
 そして、夜更かしをして屋根裏部屋へと戻っていく。

 そんな生活がどのくらい続いただろう。

 気がついたら、そんな生活を楽しんでいる自分がいる。 

 自分でも驚きである。

 食事の準備、食事、掃除や洗濯といった家事、大工仕事、花や木の手入れ、乗馬やハイキング、夕食後の読書、ただのお喋り。

 それらすべてが、いつの間にか楽しくなっていた。

 たしかに、ケンカをしたり言い合いをしたりもする。仲良くしているのと同じくらいはケンカになる。

 そのケンカも、自分の本性をさらけだしていた。
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