「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
「妃殿下」

 テントのすぐ前で小隊が整列している。

 よく見ると、王都からいっしょに来た新兵たちである。

 いっしょに馬車に乗って馭者をしてくれた、真っ赤なほっぺの兵士もいる。

「お久しぶり。まぁ、みなさん。立派になって」

 いっしょに旅をしたときには、軍服ですら「着用している」というよりかは「着られている」といった感じだった。初々しいというかちょっとだけ頼りなさそうというか、とにかくこの子たち大丈夫なのかしら?なんて、同年齢くらいなのにエラソーに思っていた。
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