「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
「バカだな。そういうときは、お美しくなってとかエレガントになられて、とか言うんだ」

 小隊の中のだれかが注意すると、いっせいに笑い声が起った。

 もちろん、わたしも笑ってしまった。

 他意や悪意はなかったのよ。たぶん、だけど。

 彼らに「がんばってね」と伝えると、テントに近づいた。

 見張りの兵士に手袋を渡してもらうようお願いしていると、中からロランが顔を見せた。
< 124 / 310 >

この作品をシェア

pagetop