「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
「ありがとうございます、妃殿下。それにしても、よくわかりましたね」
「え?ああ、傷口のこと?すこしだけど剣をつかえるのよ。子どものときに教えてもらったことがあったから。わたしがふざけたせいで剣で斬られたことがあってね。ほら、これ」

 シャツの右袖をめくってみせた。

 右の肘の上に、傷痕が残っている。

「これは……」

 クロードとロランが顔を見合わせた。
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