「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
 もう間もなく目的の地に着くという頃、ロランにクロード・ノディエ、つまりこれから嫁ぐ夫になる人のことについて尋ねてみた。

 噂できいている彼は、「ひきこもり王子」としてあらゆる人たちから蔑まれているということ。

 お母様がメイドで、いわゆるお手つきの子どもらしい。だけど、国王陛下はお母様を側妃に迎え、たいそう寵愛なさった。

 弟のロランが生まれているのだから、異例と言えば異例よね。

 だけど、国王陛下は愛する側妃との子どもである兄弟については、そこまで大切になさらなかった。

 よくある話である。正妃やその子どもたち、他の側妃やその子どもたちだけでなく、王宮中の人々から蔑まれ、ときには虐待された。
< 14 / 310 >

この作品をシェア

pagetop