「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
「リン、おまえも来てくれ」
「わかっているわ」

 なにせ元夫とお姉様が訪ねて来ているんですもの。

 会わないわけにはいかないわよね。
 
「兄上。マリユス王子は、追手を引き連れて来ているはずです」
「ああ、そうだろうよ。どうせ、諜報員たちも王宮でおれがここにいることはききだしているだろう。遅かれ早かれ対決せねばならない。ロラン、おまえの副官のジェルマンに迎えに行かせてくれ。彼なら、度胸抜群態度がでかいからな。最適だろう」
「いえ。それならば、ぼくが」
「ダメよ、ロラン。傷が……。ごめんなさい。女が口をだすな、よね?」
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