「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
「いつもだったら両親はお兄様をチヤホヤしていたし、お兄様は両親に笑顔で接していた。お姉様も、お兄様にべったりのはずが、両親にくっついて泣きじゃくっていた。使用人たちも、どこかピリピリしていたわ。おかしいわよね。あなたとのことは忘れてしまっていたのに、あの日のことは一部分をのぞいてはっきり覚えているんですもの」

 苦笑してからまた続ける。

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